初めて友達が出来た話
私に初めて友達が出来たのは、小学校2年生のときでした。
1年のときは誰にも話しかけられず、入学早々にちょっかいを出されていました。
しかし、まだ子供なので、すごく陰湿なものでは無く、一時的にものを投げられたり、とられたり、隠されたりといったものでした。
やることが無かった為、休み時間には教室においてある本をいつも読んでいました。
先生に「本が好きだね。」
と言われましたが、決して本が好きだから読んでいた訳ではなく、遊ぶ相手も話す相手もいないから読んでいたのですが…
教室にある本は何度も読んでしまい、内容を覚えてしまうくらいでした。
結局1年間友達は出来ませんでしたが、継続的ないじめを受ける訳でも無く、ただ1日が過ぎるのを待つだけという感じでした。
2年生になってもクラスメイトはそのままだった為、友達は出来ないままでした。
しかし、そんなある日、転校生が来ました。
その子は家が近かった為、先生に一緒に帰ってあげてと言われました。
そして、一緒に帰ることとなりましたが、誰かと一緒に登下校したことの無い私はどうして良いか分からず、一言もしゃべらないまま歩いていました。
しばらく歩いてから、その子が
「あんたって無口?」
と言ってきました。
無口の意味は子供ながらにも何度も言われたことがあった為、良く分かっていました。
少しショックでしたが、
子供の私は核心をつかれた気がして、
「別にそうでもない。」
と答えました。それから家に着くまで、何を話したか覚えていませんが、少し会話をしたような記憶が有ります。
「ここ家だから。」
と言ってその子と別れました。
その転校生は少しだけ先に住んでいました。
家に着いてからしばらくすると、なんと家に転校生が来ました。初めて家に学校の子が来たので、驚きました。
一緒に遊ぶ時間はすごく楽しく、初めて味わった感覚でした。
それから毎日二人で、学校でも帰ってからもいつも一緒に遊びました。
しかし、その楽しい日々は長続きしませんでした。